Panther Lake搭載PCは買える?Arc B390の価格帯とRTX 4050/5050搭載PCとの性能・コスパ比較
- 公開日:2026年7月25日
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IntelのPanther Lake、正式名称ではCore Ultra Series 3を搭載するPCは、2026年7月時点で国内でも購入・予約できる段階に入りました。注目は、上位のArc B390内蔵GPUを備えるCore Ultra X7 358Hです。これまでの「内蔵GPU=軽いゲームまで」という印象を超え、電力を抑えたGeForce RTX 4050 Laptop GPUと競る性能を示しています。
ただし、Panther Lake搭載機は安価な事務用ミニPCではありません。現時点の国内価格は約29万〜33万円台が中心で、RTX 4050/5050 Laptop GPUを搭載するゲーミングノートと比べると、ゲームだけを目的にした場合は必ずしも割安ではありません。
この記事では、実際に登場しているPanther Lake機の価格と構成、Arc B390のベンチマーク、近い性能帯のGeForce搭載PCとの違いを整理します。
内蔵GPUなのに、RTX搭載機と比べるところまで来たんですね! どのくらい近いのか、気になります
期待していい。ただし“どのRTXか”“何Wで動くRTXか”が大事だ。Arc B390は低電力のRTX 4050 Laptop GPUに近づく一方、高電力のdGPUまで同じとは限らない。
まず結論:Arc B390はRTX 4050 Laptop GPUの低電力帯が目安
Core Ultra X7 358HのArc B390は、12 Xe3コア、最大2.5GHzの内蔵GPUです。ベンチマークを見ると、50W級のRTX 4050 Laptop GPUにほぼ並ぶ例があり、従来のArc 140V/140TやRadeon 890Mより一段上の性能帯に入ります。
一方で、RTX 4050 Laptop GPUでも90〜105W級、RTX 5050 Laptop GPUの115W級になると、専用GDDRメモリと高いGPU電力を生かして差が広がります。Arc B390は「ミニPC・薄型PCで外部GPUなしにどこまで行けるか」を評価するGPUであって、ゲーミングノート向けの高電力dGPUを全面的に置き換えるものではありません。
| 目的 | Panther Lake/Arc B390が向く | RTX搭載PCが向く |
|---|---|---|
| 1080pゲーム | 画質設定やXeSSを調整して遊ぶ。省スペースを重視 | 高設定・高fpsを安定して狙う |
| ローカルAI | NPUと64GBメモリを活用。小型の作業環境を作りたい | CUDA前提のツール、専用VRAMを重視 |
| 動画編集・制作 | CPU・NPU・内蔵GPUを一体で使いたい | GPUレンダリング、AIエフェクトを優先 |
| 設置性 | モニター裏やデスク脇に置きたい | 本体サイズ・ACアダプターの大きさを許容できる |
ゲームだけじゃなくて、AIや動画編集まで一台でやりたい人向けなんですね。置き場所が小さくていいのも、ちょっとわくわくします!
そうだな。ただしゲームの快適さを最優先するなら、同じ予算でRTX搭載ノートも必ず見比べよう。B390の強みは、性能の数字だけでは測れない総合力にある。
国内で登場しているPanther Lake搭載PCと価格帯
GMKtec EVO-T2:64GBメモリ搭載で330,999円から
国内の公式販売ページで確認できる代表例が、GMKtec EVO-T2です。Core Ultra X7 358H、Arc B390、64GB LPDDR5X-8533、1TB SSDの構成で、確認時点のセール価格は330,999円です。
本機は35W/45W/54Wの電力モードを持ち、ピーク60Wで動作します。さらに10GbE+2.5GbE、有線LAN、USB4×2、OCuLinkを備えるため、単なる小型PCというより、ローカルAI・高速ネットワーク・将来のeGPU拡張も意識したミニワークステーションです。
GPD BOX:X7 358H・32GB/1TBで308,000円、8月発売予定
GPD BOXの国内正規版も発表済みです。Core Ultra X7 358H、32GBメモリ、1TB SSDのモデルは308,000円(税込)で予約受付中、2026年8月22日発売予定と案内されています。容量約0.9L、約940gの小型筐体に160W GaN電源を内蔵し、MCIO 8i経由でGPD G2などの外付けGPUドックへ接続できるのが特徴です。
| 搭載PC | 主な構成 | 価格・販売状況 | 向く使い方 |
|---|---|---|---|
| GMKtec EVO-T2 | Core Ultra X7 358H、Arc B390、64GB、1TB | 330,999円から。国内公式販売ページで確認 | 64GBを生かすAI、10GbE、据え置き作業 |
| GPD BOX | Core Ultra X7 358H、Arc B390、32GB、1TB | 308,000円。予約受付中、8月22日発売予定 | 超小型PC、電源内蔵、MCIO 8iでのeGPU拡張 |
※価格・在庫・予約特典は2026年7月25日に確認したものです。セールや構成変更で変動するため、購入時は販売ページの表示を確認してください。
同じArc B390でも、64GBメモリのEVO-T2と、もっと小さいGPD BOXでは使い方が変わるんですね!
その通り。ローカルAIや仮想環境を動かすなら64GB、持ち運びや設置の自由度を優先するならGPD BOXという考え方になる。型番だけで決めず、メモリと端子も確認してほしい。
現時点の価格帯は約29万〜33万円台
Arc B390を搭載する国内向けPanther Lake PCは、今回確認できた範囲では約29万〜33万円台です。32GB/1TBのGPD BOXが30万円台前半、64GB/1TBに10GbE・OCuLinkまで載せたEVO-T2が33万円台となります。
この価格には、CPUだけでなく、LPDDR5X大容量メモリ、高速SSD、冷却、豊富な端子、ミニPC用の小型筐体が含まれます。そのため、RTX 4050搭載ノートの最安価格とGPU性能だけを比べて「高い」と決めるのは早計です。反対に、ゲームが主目的で64GBメモリや10GbEを使わないなら、RTX 5050/5060 Laptop GPU搭載ノートに予算を回したほうが満足しやすいケースもあります。
同じ30万円前後でも、ゲームだけのためのPCじゃないんですね。64GBメモリまで使えるなら、見え方が変わりそうです!
その理解で合っている。GPU性能だけでなく、64GBメモリや端子、設置性に価値を感じるかが分かれ目だ。
同じGMKtecでGPU別に価格を並べると
Arc B390だけを見ていると価格感がつかみにくいため、同じGMKtecの現行ミニPCで比較します。下表は2026年7月25日に公式販売ページで確認した選択中の構成・価格です。
| 製品 | GPU | 確認した構成 | 価格 | 見るべき点 |
|---|---|---|---|---|
| EVO-T1 | Arc 140T | ベアボーン(メモリ・SSD・OSなし) | 135,999円 | 完成品価格ではない。メモリ・SSD・OSを足して判断する |
| EVO-X1 | Radeon 890M | Ryzen AI 9 HX 370、32GB、1TB | 183,999円 | 32GB/1TB込みで、890M機の比較的手に取りやすい選択肢 |
| EVO-X2 | Radeon 8060S | Ryzen AI Max+ 395、64GB、1TB | 319,999円 | GPU性能と大容量メモリを優先するなら有力 |
| EVO-T2 | Arc B390 | Core Ultra X7 358H、64GB、1TB | 330,999円 | 10GbE、OCuLink、USB4×2を重視する人向け |
GPU性能とローカルAIのための大容量共有メモリを最優先するなら、現時点ではEVO-X2のRadeon 8060SがEVO-T2より安く、性能面でも上です。一方EVO-T2は10GbE、2.5GbE、OCuLink、USB4×2という接続性が強みです。Arc B390を選ぶ理由は「8060Sより速いから」ではなく、Intel系の新世代CPU・端子・ネットワーク構成に価値を感じるかで判断しましょう。
※EVO-T1のみベアボーンの価格で、他の3機種はメモリとSSDを含む構成です。価格はセールや構成選択で変わるため、購入前に各商品ページで必ず再確認してください。
EVO-T1だけ安く見えるけど、買ってすぐ使える構成ではないんですね。ここ、うっかり比べちゃいそうです
いいところに気付いた。ベアボーンはメモリ、SSD、OSの費用と組み立ての手間を含めて考える。完成品どうしの価格表と混ぜないことが、比較の基本だ。
ベンチマーク比較チャート:Arc B390はどのRTXに近い?
下の画像は、同じNotebookcheck掲載の実機値にそろえた3DMark Time Spy Graphics Scoreです。Radeon 890Mも加えました。スコアは高いほど3D描画性能が高いことを示します。

| GPU・実機例 | Time Spy Graphics | Arc B390(最高値7,190)との差 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| Radeon 8060S(Ryzen AI Max+ 395、80W) | 10,224 | 約+42% | 現行最上位級の内蔵GPU。B390より明確に上 |
| RTX 4060 Laptop GPU(100W) | 10,144 | 約+41% | 本格的なdGPUの目安 |
| RTX 4050 Laptop GPU(90W) | 8,574 | 約+19% | 高電力版ではB390を上回る |
| RTX 4050 Laptop GPU(60W) | 7,342 | 約+2% | B390と近い性能帯 |
| Arc B390(ZenBook Duo) | 7,190 | 基準 | Panther Lakeの高性能実測例 |
| Arc B390(ExpertBook) | 6,679 | 約-7% | 同GPUでも機種・電力設定で変動する例 |
| Arc 140T | 4,194 | 約-42% | Arrow Lake-Hの内蔵GPU |
| Radeon 890M | 3,421 | 約-52% | HX 370世代の代表的な内蔵GPU |
Arc B390はRadeon 890Mのおよそ2倍、Arc 140Tの約1.7倍に達する実機例があります。一方、Radeon 8060SとRTX 4060 Laptop GPUには届きません。従ってB390を「RTX 4050と同じ」と一括りにするより、低電力のRTX 4050 Laptop GPUに近い性能帯と見るのが安全です。
Radeon 890Mよりかなり伸びているのに、Radeon 8060Sはさらに上なんですね。内蔵GPUの中でも、ちゃんと差があるんだ!
ある。8060Sはより大きな電力と帯域を使える別格寄りの設計だ。B390は890Mから大きく前進したが、最上位の内蔵GPUや100W級の専用GPUまで同列とは考えないほうがいい。
なお、GMKtec EVO-T2の外部レビューではTime Spyが7,621、Steel Nomadが6,172と報告されています。上の画像は比較条件を統一するためNotebookcheckの数値だけで作成しており、EVO-T2の数値は図には混ぜていません。いずれも実機の電源モードやメモリ速度で結果が動くことは、購入時に忘れてはいけません。
同価格帯のRTX搭載ノートと何が違う?
比較対象として分かりやすいのは、GeForce RTX 4050/5050/5060 Laptop GPUを搭載する16型前後のゲーミングノートです。専用VRAM、144Hz級の表示、ゲーム向け冷却を備えるモデルが多く、GPU性能だけを優先するなら有力な比較対象になります。機種ごとの価格・在庫は変動が速いため、購入直前に必ず販売ページを開いて確認してください。
より新しいRTX 5050/5060 Laptop GPU搭載ノートは、Panther LakeミニPCと近い、または上回る価格帯になりやすいものの、専用GDDR7 VRAMとDLSS・CUDAを使えるのが強みです。価格は構成やセールで変動しますが、比較時は次の点を揃えて考えましょう。
| 比較軸 | Panther LakeミニPC(Arc B390) | RTX搭載ゲーミングノート |
|---|---|---|
| GPUメモリ | メインメモリ共有。64GB構成はAIに有利 | GPU専用VRAM。RTX 4050は6GB、RTX 5050/5060は8GB構成が中心 |
| ゲーム性能 | 1080pで設定調整。低電力RTX 4050に近い | 高TGPモデルほど有利。DLSSやレイトレーシングも強い |
| AIソフト | NPU活用、Intel GPU対応ソフト、メモリ容量が強み | CUDA対応ソフトが多く、導入情報も豊富 |
| メモリ | 32GB/64GBのオンボード構成が中心。増設不可のことが多い | SO-DIMM増設可能な機種もある。GPU VRAMとは別管理 |
| 設置性 | 約1kg以下のミニPC、モニター裏設置も可能 | 画面・キーボード込みで完結。持ち運びにも対応 |
| 将来のGPU強化 | OCuLink/MCIO対応機ならeGPUで拡張できる場合がある | 内蔵GPUの交換は不可。外部GPU対応は機種次第 |
CUDAで使いたいソフトが決まっているならRTX、机まわりをすっきりさせてAIも試したいならB390、という感じですね?
だいたい合っている。加えて、ゲームを長時間・高画質で遊ぶならRTX、64GBの共有メモリや10GbEを仕事に生かすならEVO-T2だ。自分の“毎日いちばん長くする作業”を軸に決めよう。
ゲーム中心ならRTX、総合力と設置性ならArc B390
ゲームを高画質で長時間楽しみたい、Steamの最新作を1440pで遊びたい、CUDAを使う画像生成・動画編集を行う、といった目的ならRTX 5050/5060 Laptop GPU搭載ノートが素直です。専用VRAMと高いTGPを持つため、性能の予測がしやすく、ゲーム向けの情報も豊富です。
一方、デスク上を小さくまとめたい、64GBメモリをローカルAIや開発にも使いたい、10GbEやOCuLinkを活用したい、将来は必要に応じてeGPUをつなぎたい、という目的ならPanther LakeミニPCは魅力的です。Arc B390単体の性能だけではなく、CPU・NPU・大容量メモリ・端子をまとめた総合パッケージとして評価するべきでしょう。
購入前に確認したい注意点
「Core Ultra 7」表記だけではArc B390と限らない
Panther Lakeでは、すべてのCore Ultra Series 3がArc B390を搭載するわけではありません。Arc B390を狙うなら、商品ページにCore Ultra X7 358HまたはArc B390と明記されていることを確認してください。たとえばCore Ultra 7 356Hは別GPU構成です。
“Core Ultra 7”って書いてあれば同じ性能、ではないんですね。B390が欲しいなら、GPU名まで見ないと!
その確認が一番大事だ。CPUのシリーズ名だけで判断せず、CPU型番、GPU名、メモリ容量、電力モードまで商品ページで照合しよう。
メモリ容量は後から変えにくい
GMKtec EVO-T2の64GB LPDDR5XやGPD BOXの32GBメモリは、ノート/ミニPC向けのオンボード構成です。後から増設できない可能性が高いため、ローカルAI・Docker・仮想環境を使うなら64GBを優先しましょう。ゲーム中心なら32GBでも十分な場合があります。
eGPUを使うなら端子と対応GPUを確認する
GPD BOXはMCIO 8i、EVO-T2はOCuLinkを備えますが、どの外部GPUボックス・GPUでも同じように使えるわけではありません。ケースの互換性、電源、ケーブル、ドライバー、起動順などを購入前に確認してください。eGPUは将来の拡張性を得られる反面、最初からRTX搭載ノートを買うより手間と費用が増えることもあります。
まとめ:Panther Lakeは「RTXを置き換えるPC」ではなく、内蔵GPUの選択肢を広げるPC
Panther LakeのArc B390搭載PCは、すでに国内で登場しています。価格は約29万〜33万円台で、現時点ではGPD BOXとGMKtec EVO-T2が分かりやすい選択肢です。
Arc B390の3DMark Time Spyは実機で約6,700〜7,600点。低電力のRTX 4050 Laptop GPUに匹敵する例があり、内蔵GPUとして非常に高い位置にいます。ただし、高電力RTX 4050やRTX 5050 Laptop GPUには差を付けられ、ゲーム性能だけを求めるならRTX搭載ノートのほうが合理的な場面もあります。
それでもPanther Lakeに価値があるのは、内蔵GPUの性能、NPU、64GB級メモリ、高速端子、小型筐体を一台へ集約できる点です。ゲーム・AI・開発・省スペースを横断したい人には、Arc B390搭載機は2026年の有力な選択肢になります。
参照・検証に用いた資料
- Intel:Panther Lake(Core Ultra Series 3)の製品一覧
- Intel:Core Ultra Series 3比較表
- GMKtec JP:EVO-T2販売ページ
- GMKtec JP:EVO-X1(Radeon 890M)販売ページ
- GMKtec JP:EVO-X2(Radeon 8060S)販売ページ
- GMKtec JP:EVO-T1(Arc 140T)販売ページ
- GPD BOX国内正規版の発表・価格・発売予定
- the比較:Core Ultra X7 358H/Arc B390のゲーム・Time Spy比較
- Notebookcheck:Arc B390とRTX 4050 Laptop GPUなどの比較
- TechRadar:GMKtec EVO-T2の実機ベンチマーク