【PCパーツ講座】Ryzen 5 40とは?Ryzen 10 Seriesの立ち位置とベンチマークを比較して解説
昨日の記事で、ASUS Vivobook Go 14に搭載されていた AMD Ryzen 5 40 というCPUを扱いました。
「Ryzen 5 40? Ryzen 5 7530UやRyzen 5 7535Uとは違うの?」
この名前、かなり引っかかります。
AMDのノートPC向けCPUといえば、Ryzen 5 7520U、Ryzen 5 7530U、Ryzen 5 7535Uのような4桁型番に見慣れている人も多いはずです。
ところが、Ryzen 5 40はAMD公式にも掲載されている実在のCPUです。
今回は、Ryzen 5 40が属する Ryzen 10 Series を確認し、同じシリーズのRyzen 3 30、近い旧型番のRyzen 5 7520U / Ryzen 3 7320U、よく比較対象になるRyzen 5 7530UやIntel Core i3-N305とベンチマークで比べてみます。
※この記事は2026年7月9日時点で、AMD公式仕様ページとPassMark CPU Benchmarkを確認して作成しています。ベンチマークスコアは投稿データにより変動します。PC購入時は、CPU名だけでなく、メモリ容量、SSD容量、画面、価格、保証も必ず確認してください。
先に結論:Ryzen 5 40は「低価格ノート向けの実用CPU」
先に結論からいきます。
Ryzen 5 40は、ゲームや動画編集向けの高性能CPUではありません。
ただし、文書作成、Web閲覧、メール、動画視聴、写真入り書類、印刷、軽いOffice作業には十分候補になるCPUです。
ポイントは次の通りです。
| 項目 | Ryzen 5 40の見方 |
|---|---|
| シリーズ | Ryzen 10 Series |
| 世代・系統 | Mendocino / Zen 2 |
| CPU構成 | 4コア8スレッド |
| TDP | 15W |
| 内蔵GPU | Radeon 610M |
| 向く用途 | 家庭用、文書作成、Web、動画視聴、印刷、低頻度利用PC |
| 向かない用途 | 本格ゲーム、動画編集、AI生成、重いクリエイティブ作業 |
Ryzen 5って聞くと、けっこう強そうに見えますけど、Ryzen 5 40は“低価格ノート向け”なんですね!
そうだね。名前だけで“高性能なRyzen 5”と思い込むと少しズレる。Ryzen 5 40は、軽作業を快適にこなすための省電力CPUとして見るのがいいよ
Ryzen 5 40はAMD公式にあるCPU
まず、存在確認からです。
AMD公式ページでは、Ryzen 5 40は Ryzen 10 Series のCPUとして掲載されています。
公式仕様では、以前のコードネームはMendocino、アーキテクチャはZen 2、CPUコア数は4、スレッド数は8、最大ブーストクロックは最大4.3GHz、ベースクロックは2.8GHz、TDPは15Wです。
また、グラフィックスは AMD Radeon 610M。グラフィックスコア数は2、グラフィックス周波数は1900MHzとされています。
| 項目 | Ryzen 5 40 |
|---|---|
| シリーズ | Ryzen 10 Series |
| コードネーム | Mendocino |
| アーキテクチャ | Zen 2 |
| コア / スレッド | 4コア / 8スレッド |
| ベース / 最大ブースト | 2.8GHz / 最大4.3GHz |
| L3キャッシュ | 4MB |
| TDP | 15W |
| 内蔵GPU | AMD Radeon 610M |
| メモリ | LPDDR5、最大16GB |
ちゃんとAMD公式にあるんですね。名前が短いので、最初は型番の一部が切れているのかと思っちゃいました
その反応は自然だと思う。最近のCPU名は、旧来の4桁型番と新しい短い名前が混ざっているからね。だからこそ、公式ページで確認するのが大事なんだ
同じRyzen 10 SeriesにはRyzen 3 30もある
Ryzen 5 40と同じRyzen 10 Seriesとして、AMD公式には Ryzen 3 30 も掲載されています。
Ryzen 3 30もMendocino / Zen 2系で、4コア8スレッド、TDP 15W、Radeon 610Mという点はRyzen 5 40と共通です。
違いは主にクロックです。
| 項目 | Ryzen 5 40 | Ryzen 3 30 |
|---|---|---|
| シリーズ | Ryzen 10 Series | Ryzen 10 Series |
| コードネーム | Mendocino | Mendocino |
| アーキテクチャ | Zen 2 | Zen 2 |
| コア / スレッド | 4 / 8 | 4 / 8 |
| ベースクロック | 2.8GHz | 2.4GHz |
| 最大ブースト | 最大4.3GHz | 最大4.1GHz |
| L3キャッシュ | 4MB | 4MB |
| TDP | 15W | 15W |
| 内蔵GPU | Radeon 610M | Radeon 610M |
つまり、Ryzen 10 Seriesの中では、Ryzen 5 40が上位、Ryzen 3 30が下位と考えると分かりやすいです。
ただし、どちらもハイエンドCPUではありません。
軽量な家庭用・事務用ノートPC向けのシリーズです。
Ryzen 5 40とRyzen 3 30は、コア数もGPUもかなり近い。違いはクロック差が中心だね
じゃあ、同じ価格帯ならRyzen 5 40を選んだほうが分かりやすいですね!
そうだね。価格差が小さいならRyzen 5 40のほうを選びたい。ただ、PC全体ではメモリやSSDも同じくらい大事だよ
Ryzen 5 40とRyzen 5 7520Uはかなり近い
Ryzen 5 40を見るときに、近い存在として見たいのが Ryzen 5 7520U です。
PassMark上では、Ryzen 5 7520Uも4コア8スレッド、ベース2.8GHz、ターボ4.3GHz、TDP 15Wとされており、Ryzen 5 40とかなり近い仕様です。
ベンチマークでも、両者はかなり近いスコアになっています。
| CPU | PassMark CPU Mark | Single Thread | コア / スレッド | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Ryzen 5 40 | 9,144 | 2,425 | 4 / 8 | Ryzen 10 Series |
| Ryzen 5 7520U | 8,946 | 2,380 | 4 / 8 | 旧来型番で見かける近いCPU |
| Ryzen 3 7320U | 8,450 | 2,296 | 4 / 8 | Ryzen 3 30に近い立ち位置 |
この表を見ると、Ryzen 5 40はRyzen 5 7520Uとほぼ同クラスと考えてよさそうです。
むしろ、読者向けにはこう説明したほうが分かりやすいです。
「Ryzen 5 40は、Ryzen 5 7520Uに近い低消費電力ノート向けCPU」
こう捉えると、急に分かりやすくなります。
名前は新しく見えるけど、中身の立ち位置はRyzen 5 7520Uに近いんですね
そう。新しい名前だから高性能とは限らないし、古い名前だからダメとも限らない。スペックとベンチマークを見て判断するのが安全だよ
Ryzen 5 7530Uと比べると、かなり差がある
次に、よく安めのノートPCで見かける Ryzen 5 7530U と比べます。
ここは重要です。
Ryzen 5 40もRyzen 5、Ryzen 5 7530UもRyzen 5。
名前だけ見ると同じように見えます。
しかし、Ryzen 5 7530Uは6コア12スレッドで、PassMark CPU Markは15,036。
Ryzen 5 40の9,144とは、かなり差があります。
| CPU | PassMark CPU Mark | Single Thread | コア / スレッド | コメント |
|---|---|---|---|---|
| Ryzen 5 7530U | 15,036 | 2,990 | 6 / 12 | 複数作業に余裕が出やすい |
| Ryzen 5 40 | 9,144 | 2,425 | 4 / 8 | 軽作業中心なら候補 |
| Ryzen 3 7320U | 8,450 | 2,296 | 4 / 8 | さらに価格重視寄り |
Ryzen 5 7530Uは、ブラウザのタブを多めに開く、Officeを複数使う、写真整理を多めにする、少し長く快適に使いたい、といった用途で有利です。
一方、Ryzen 5 40は、文書作成、Web、動画視聴、印刷、軽い写真入り書類くらいなら十分候補になります。
同じRyzen 5でも、Ryzen 5 40とRyzen 5 7530Uはけっこう違うんですね
うん。ここは読者が間違いやすいところだね。Ryzen 5 40は4コア8スレッド、Ryzen 5 7530Uは6コア12スレッド。長く使う余裕を重視するなら7530Uのほうが上だよ
Intel Core i3-N305とも近いクラス
低価格ノートや小型PCでは、Intel Core i3-N305も比較対象になりやすいです。
PassMarkでは、Core i3-N305のCPU Markは9,407。
Ryzen 5 40の9,144とかなり近い数字です。
ただし、中身は違います。
Core i3-N305は8コア8スレッド。
Ryzen 5 40は4コア8スレッドです。
| CPU | PassMark CPU Mark | Single Thread | コア / スレッド | TDP |
|---|---|---|---|---|
| Core i3-N305 | 9,407 | 2,043 | 8 / 8 | 15W |
| Ryzen 5 40 | 9,144 | 2,425 | 4 / 8 | 15W |
| Ryzen 3 7320U | 8,450 | 2,296 | 4 / 8 | 15W |
マルチスレッドの総合スコアではCore i3-N305が少し上。
一方で、シングルスレッドはRyzen 5 40のほうが高めです。
体感としては、どちらも軽作業向けです。
PC全体で見れば、CPU単体よりも、メモリ16GB、SSD512GB、画面の見やすさ、キーボード、価格のほうが満足度を左右しやすいです。
このクラスは、CPUだけで勝ち負けを決めるより、PC全体の作りを見るほうが大事だね
同じくらいの性能なら、メモリやSSD、画面、価格で選ぶんですね!
ベンチマーク比較まとめ
ここまでの数字をまとめると、次のようになります。
| CPU | CPU Mark | Single Thread | コア / スレッド | ざっくり評価 |
|---|---|---|---|---|
| Ryzen 5 7530U | 15,036 | 2,990 | 6 / 12 | 余裕あり。長く使う家庭用・事務用に安心 |
| Core i3-N305 | 9,407 | 2,043 | 8 / 8 | 低価格帯でよく見る比較対象 |
| Ryzen 5 40 | 9,144 | 2,425 | 4 / 8 | 軽作業・家庭文書・印刷向けに十分候補 |
| Ryzen 5 7520U | 8,946 | 2,380 | 4 / 8 | Ryzen 5 40にかなり近い |
| Ryzen 3 7320U | 8,450 | 2,296 | 4 / 8 | 価格重視。メモリ・SSDに注意 |
この表で見えてくるのは、Ryzen 5 40は「低価格帯の中では悪くないが、Ryzen 5 7530Uクラスとは別物」ということです。
つまり、Ryzen 5 40搭載PCを買うなら、次のような判断になります。
- 10万円台前半〜半ばで、メモリ16GB・SSD512GBなら候補
- 文書作成、Web、動画視聴、印刷、軽い写真入り書類なら十分
- 画像編集、動画編集、AI生成、ゲーム目的なら避ける
- Ryzen 5 7530U / 7535U搭載機が同価格帯なら、そちらも比較したい
Ryzen 5 40搭載PCで見るべきポイント
Ryzen 5 40搭載PCを選ぶときは、CPU名だけではなく、次の項目を必ず見ます。
| 項目 | 見るポイント |
|---|---|
| メモリ | 16GB推奨。8GBだと余裕が少ない |
| SSD | 512GB推奨。256GBなら写真保存に注意 |
| 画面 | フルHD以上。14型なら持ち運びや片づけやすさ、15〜16型なら見やすさ |
| Office | Microsoft OfficeかWPS Officeか、なしなのか確認 |
| USB端子 | プリンターや外付けSSDを使うならUSB-Aも確認 |
| 価格 | Ryzen 5 7530U / Core i5-1335U搭載機と比べて割高でないか |
昨日扱ったASUS Vivobook Go 14 E1404FAのように、Ryzen 5 40、16GBメモリ、512GB SSD、14型フルHD、WPS Office付きという構成なら、家庭用・低頻度利用PCとしては分かりやすいです。
ただし、価格が15万円前後になる場合は、Ryzen 5 7530UやCore i5-1335U搭載機も比較に入れたいところです。
Ryzen 5 40だからダメ、ではないんですね
そう。CPUだけで切り捨てる必要はないよ。ただ、同じRyzen 5でも上位の7530Uとは差がある。価格と構成を見て、納得できるかが大事だね
Ryzen 5 40で避けたい使い方
Ryzen 5 40搭載PCは、万能ではありません。
次のような用途を考えているなら、最初から上位CPUや外部GPU搭載PCを見たほうが安全です。
| 用途 | 理由 |
|---|---|
| 本格ゲーム | Radeon 610Mは軽い内蔵GPU。ゲーミング向けではない |
| 動画編集 | 書き出しやプレビューで時間がかかりやすい |
| AI画像生成 | ローカル生成向けのGPU性能ではない |
| 大量写真編集 | CPU、メモリ、SSD、画面品質の全部が効く |
| 何年も重い作業を増やす予定 | 6コア以上のCPUを選んだほうが安心 |
特に、AI生成やゲーム用途で「Ryzen 5」とだけ見て選ぶのは危険です。
Ryzen 5 40は、家庭用・事務用・軽作業向けです。
まとめ:Ryzen 5 40は“安物CPU”ではないが、過信もしない
Ryzen 5 40は、AMD公式に掲載されているRyzen 10 SeriesのCPUです。
Mendocino / Zen 2、4コア8スレッド、TDP 15W、Radeon 610Mという構成で、文書作成、Web閲覧、動画視聴、印刷、軽い写真入り資料作成には十分候補になります。
PassMarkのCPU Markでは、Ryzen 5 40は9,144。
Ryzen 5 7520Uの8,946に近く、Ryzen 3 7320Uの8,450より少し上、Core i3-N305の9,407とは近いクラスです。
一方で、Ryzen 5 7530Uの15,036とは大きな差があります。
つまり、Ryzen 5 40はこう見ればOKです。
- 軽作業向けとしては十分候補
- Ryzen 5 7520Uに近い立ち位置
- Ryzen 5 7530U / 7535Uとは別クラス
- メモリ16GB・SSD512GBなら家庭用PCとして見やすい
- ゲーム、動画編集、AI生成には向かない
Ryzen 5 40は、名前だけで避ける必要はない。ただし、“Ryzen 5だから何でも強い”とも考えないほうがいい。軽作業向けCPUとして、価格と構成が合っていれば候補になるね
CPU名だけじゃなくて、同じシリーズのモデルやベンチマークも見ると、かなり判断しやすくなりますね!