BTOパソコンの用語集:CPU編
BTOパソコンを選ぶときに必ず出てくるのが CPU です。
CPUはパソコン全体の処理を担当する重要なパーツで、ゲーム、動画編集、事務作業、AI処理、普段使いの快適さに大きく関わります。
ここでは、BTOパソコン選びでよく見かけるCPU関連用語を、辞書のように簡単に解説します。
CPUの基本用語
CPU
Central Processing Unit の略で、パソコンの頭脳にあたるパーツです。
ソフトの起動、計算処理、ゲームの動作、動画編集など、さまざまな処理を担当します。
BTOパソコンでは、CPUの性能によって快適さや用途の向き不向きが大きく変わります。
プロセッサー
CPUとほぼ同じ意味で使われる言葉です。
商品ページでは「CPU」ではなく「プロセッサー」と書かれていることもあります。
例:
Intel Core i7 プロセッサー
AMD Ryzen 7 プロセッサー
コア
CPUの中にある処理の単位です。
コア数が多いほど、複数の作業を同時に処理しやすくなります。
一般的には、以下のような目安です。
| コア数 | 目安 |
|---|---|
| 4コア | 軽い作業向け |
| 6コア | 普段使い・軽いゲーム向け |
| 8コア | ゲーム・動画編集向け |
| 12コア以上 | 重い編集・配信・クリエイティブ作業向け |
スレッド
CPUが同時に処理できる作業の流れを表す単位です。
「6コア12スレッド」のように表記されます。
スレッド数が多いほど、動画編集、エンコード、配信、マルチタスクなどで有利になりやすいです。
クロック周波数
CPUの動作速度を表す数値です。
単位は GHz で表されます。
例:
3.5GHz、4.7GHz、5.2GHz など
数字が高いほど1つの処理を速くこなしやすいですが、CPU性能はクロックだけでは決まりません。
コア数、世代、設計、消費電力なども重要です。
ベースクロック
CPUが通常時に動作する基本のクロック周波数です。
負荷が低いときや標準的な動作時の目安になります。
ただし、最近のCPUは必要に応じて自動でクロックを上げ下げするため、ベースクロックだけで性能を判断するのは難しいです。
ブーストクロック
CPUが高負荷時に一時的に引き上げる最大クロック周波数です。
ゲームや重い処理をするときに重要になります。
例:
最大5.1GHz、最大5.4GHz など
ただし、ブーストクロックは冷却性能や電力設定によって維持できる時間が変わります。
CPUメーカー関連用語
Intel
代表的なCPUメーカーのひとつです。
BTOパソコンでは、Core iシリーズやCore Ultraシリーズがよく使われます。
ゲーミングPC、一般向けPC、ビジネスPCなど幅広く採用されています。
AMD
Intelと並ぶ代表的なCPUメーカーです。
BTOパソコンでは、Ryzenシリーズが多く使われます。
コア数やコストパフォーマンスに優れたモデルが多く、ゲーム用やクリエイター向けPCでも人気があります。
Qualcomm
Snapdragonシリーズを展開するメーカーです。
最近では、Windowsノート向けに Snapdragon X シリーズが採用されることがあります。
省電力性やAI処理に強みがありますが、Windows on Arm環境のため、ソフト互換性には注意が必要です。
Intel CPUの用語
Core iシリーズ
Intelの主力CPUブランドです。
BTOパソコンでは、Core i3、Core i5、Core i7、Core i9などがよく使われます。
| 種類 | 目安 |
|---|---|
| Core i3 | 軽い作業向け |
| Core i5 | 普段使い・ゲーム入門向け |
| Core i7 | ゲーム・編集向け |
| Core i9 | 高性能・クリエイター向け |
Core Ultra
Intelの新しいCPUブランドです。
AI処理向けの機能や、省電力性能を重視したモデルが含まれます。
ノートPCや新しい世代のBTOパソコンで見かけることが増えています。
Core i5
価格と性能のバランスが良いIntel CPUです。
普段使い、事務作業、軽めのゲーム、一般的なBTOパソコンに向いています。
コスパ重視なら候補に入りやすいCPUです。
Core i7
Core i5より高性能なCPUです。
ゲーム、動画編集、複数アプリの同時使用などに向いています。
BTOパソコンでは、長く使いたい人や性能に余裕が欲しい人に選ばれやすいです。
Core i9
Intelの上位CPUです。
高負荷な動画編集、配信、3DCG、重いクリエイティブ作業などに向いています。
性能は高いですが、価格や発熱も大きくなりやすいため、冷却性能も重要です。
Pコア
Performance Coreの略です。
Intel CPUに搭載される高性能コアで、重い処理を担当します。
ゲームや動画編集など、処理能力が必要な作業で重要になります。
Eコア
Efficient Coreの略です。
Intel CPUに搭載される省電力コアで、軽い作業やバックグラウンド処理を担当します。
PコアとEコアを組み合わせることで、高性能と省電力を両立しやすくなります。
NPU
AI処理を効率よく行うための専用ユニットです。
Core Ultraシリーズなどに搭載されることがあります。
画像処理、音声処理、AIアシスタント、Copilot+ PC関連の処理などで注目されています。
AMD CPUの用語
Ryzen
AMDの主力CPUブランドです。
BTOパソコンでは、Ryzen 5、Ryzen 7、Ryzen 9などがよく使われます。
| 種類 | 目安 |
|---|---|
| Ryzen 3 | 軽い作業向け |
| Ryzen 5 | 普段使い・ゲーム入門向け |
| Ryzen 7 | ゲーム・編集向け |
| Ryzen 9 | 高性能・クリエイター向け |
Ryzen 5
価格と性能のバランスに優れたAMD CPUです。
普段使い、ゲーム、事務作業、軽めの動画編集などに向いています。
コスパ重視のBTOパソコンでよく採用されます。
Ryzen 7
Ryzen 5より高性能なCPUです。
ゲーム、動画編集、配信、マルチタスクなどに向いています。
性能と価格のバランスが良く、長く使いたい人にも選ばれやすいです。
Ryzen 9
AMDの上位CPUです。
高負荷な動画編集、配信、3DCG、クリエイター作業に向いています。
性能は高いですが、価格や発熱も大きくなりやすいので、冷却性能が重要です。
Ryzen AI
AI処理向け機能を強化したRyzenシリーズです。
ノートPCや一部の高性能モバイルPCで採用されます。
NPUを搭載したモデルもあり、AI処理や省電力性能が注目されています。
3D V-Cache
AMDの一部CPUに搭載される大容量キャッシュ技術です。
特にゲーム性能に強い傾向があります。
型番に X3D が付くモデルで見かけます。
例:
Ryzen 7 7800X3D
Ryzen 9 7950X3D
X3D
AMDの3D V-Cache搭載CPUを示す表記です。
ゲーム向けCPUとして人気が高いモデルが多いです。
ゲーミングPCを選ぶときは、X3Dモデルが候補になることがあります。
CPU型番・世代の用語
世代
CPUがどの時期の設計かを表す目安です。
同じCore i7やRyzen 7でも、世代が違うと性能や省電力性が大きく変わります。
古いCore i7より、新しいCore i5の方が高性能なこともあります。
型番
CPUの具体的なモデル名です。
例として、以下のような表記があります。
| 型番例 | 意味 |
|---|---|
| Core i7-14700F | Intel Core i7の第14世代系CPU |
| Core Ultra 7 265K | Intel Core Ultraシリーズの上位寄りCPU |
| Ryzen 7 7700 | AMD Ryzen 7シリーズのCPU |
| Ryzen 7 7800X3D | 3D V-Cache搭載のゲーム向けCPU |
CPUはブランド名だけでなく、型番まで確認することが大切です。
K付きCPU
Intel CPUで型番の末尾に K が付くモデルです。
倍率ロックが解除されており、オーバークロックに対応しています。
例:
Core i7-14700K
Core Ultra 7 265K
性能は高めですが、発熱や消費電力も大きくなりやすいです。
F付きCPU
Intel CPUで型番の末尾に F が付くモデルです。
内蔵グラフィックスが無効化されています。
例:
Core i5-14400F
Core i7-14700F
グラボ搭載のBTOパソコンなら問題ないことが多いですが、グラボなしでは映像出力できない場合があります。
無印CPU
型番の末尾にKやFなどが付いていない標準的なCPUです。
性能、消費電力、価格のバランスが取りやすいモデルが多いです。
例:
Ryzen 7 7700
Core i5-14400
X付きCPU
AMD Ryzenで型番の末尾に X が付くモデルです。
同系統の無印モデルより高クロック・高性能寄りのことが多いです。
例:
Ryzen 5 7600X
Ryzen 7 7700X
性能は高めですが、発熱や消費電力もやや大きくなりやすいです。
Uシリーズ
主にノートPC向けの省電力CPUです。
消費電力を抑えやすく、薄型ノートやモバイルPCでよく使われます。
軽い作業や持ち歩き用PCに向いています。
Hシリーズ
主にノートPC向けの高性能CPUです。
Uシリーズより性能が高く、ゲーミングノートやクリエイター向けノートで採用されます。
ただし、発熱や消費電力も大きくなりやすいです。
HXシリーズ
ノートPC向けのさらに高性能なCPUです。
デスクトップCPUに近い性能を持つモデルもあります。
ゲーミングノートや高性能クリエイター向けノートで見かけます。
CPU性能を見るときの用語
ベンチマーク
CPUの性能を数値で比較するためのテストです。
代表的なものに、Cinebench、Geekbench、PassMarkなどがあります。
BTOパソコン選びでは、CPUの実力を比較する参考になります。
PassMark
CPU性能を数値化するベンチマークのひとつです。
CPU Markという総合スコアで比較されることが多いです。
ざっくり性能を比べるときに便利ですが、ゲーム性能や実作業性能を完全に表すわけではありません。
Cinebench
CPUのレンダリング性能を見るベンチマークです。
マルチコア性能やシングルコア性能の確認によく使われます。
動画編集や3D制作向けのCPU比較で参考になります。
Geekbench
CPUのシングルコア性能とマルチコア性能を測るベンチマークです。
Windows、Mac、スマホなど幅広い機器で使われます。
異なる環境のCPUを比較したいときに便利です。
シングルコア性能
CPUの1つのコアで処理する性能です。
ゲーム、普段使い、アプリの反応速度などに関係します。
シングルコア性能が高いと、操作のキビキビ感が出やすくなります。
マルチコア性能
複数のコアを使った処理性能です。
動画編集、エンコード、3DCG、配信、同時作業などに関係します。
コア数が多いCPUほど有利になりやすいですが、ソフト側がマルチコアに対応していることも重要です。
エンコード
動画や音声データを別の形式に変換する処理です。
動画編集や配信でよく使われます。
CPU性能が高いほど、エンコード時間を短縮しやすくなります。
レンダリング
映像、3Dモデル、画像などを最終的に描画・生成する処理です。
動画編集や3DCG制作でよく使われます。
CPUやGPUの性能が大きく影響します。
CPUとグラフィック関連の用語
内蔵グラフィックス
CPUに内蔵された映像処理機能です。
グラボがなくても画面出力や軽い映像処理ができます。
事務作業、動画視聴、Web閲覧程度なら内蔵グラフィックスでも十分な場合があります。
iGPU
Integrated GPUの略で、内蔵グラフィックスのことです。
CPU内に組み込まれたGPUを指します。
グラボを搭載しない小型PCやノートPCで重要になります。
APU
AMDで、CPUとグラフィックス機能を統合した製品を指す言葉です。
現在ではRyzenシリーズの内蔵GPU搭載モデルを指して使われることがあります。
ミニPCやグラボなしPCで見かけることがあります。
グラボなし構成
専用グラフィックボードを搭載しないPC構成です。
内蔵グラフィックスで映像出力を行います。
軽い用途なら十分ですが、本格的なゲームやAI画像生成には向きません。
CPUと消費電力・冷却の用語
TDP
CPUの発熱や消費電力の目安になる数値です。
単位はWで表されます。
TDPが高いCPUは高性能な傾向がありますが、冷却性能も必要になります。
消費電力
CPUが動作するために使う電力です。
高性能CPUほど消費電力が大きくなりやすいです。
電気代だけでなく、発熱やファン音にも関係します。
発熱
CPUが動作中に出す熱のことです。
高性能CPUほど発熱が大きくなりやすく、冷却性能が重要になります。
冷却が弱いと、性能が下がることがあります。
サーマルスロットリング
CPUが熱くなりすぎたときに、自動的に性能を下げて温度を抑える仕組みです。
冷却性能が不足していると、CPU本来の性能を発揮しにくくなります。
小型PCや薄型ノートでは特に注意したい用語です。
CPUクーラー
CPUを冷やすためのパーツです。
空冷式と水冷式があります。
高性能CPUを搭載するBTOパソコンでは、CPUクーラーの性能も重要です。
空冷
ファンとヒートシンクでCPUを冷やす方式です。
構造がシンプルで扱いやすく、多くのBTOパソコンで採用されています。
水冷
液体を使ってCPUの熱を移動させる冷却方式です。
高性能CPUや静音性を重視した構成で使われることがあります。
簡易水冷と本格水冷がありますが、BTOパソコンでは簡易水冷が多いです。
CPUとマザーボード関連の用語
ソケット
CPUをマザーボードに取り付ける部分の規格です。
CPUとマザーボードは、ソケットが対応していないと使えません。
例:
LGA1700
AM5
チップセット
マザーボードに搭載される制御用の規格です。
CPUの対応、拡張性、USBやPCIeの機能などに関係します。
BTOパソコンでは、CPUだけでなくチップセットも構成の一部として確認すると安心です。
AM5
AMD Ryzen 7000シリーズ以降などで使われるCPUソケットです。
DDR5メモリに対応した新しい世代のプラットフォームです。
LGA1700
Intel第12世代、第13世代、第14世代Coreシリーズなどで使われるCPUソケットです。
対応マザーボードと組み合わせて使います。
CPU選びでよく使う表現
コスパが良いCPU
価格に対して性能が高いCPUのことです。
BTOパソコンでは、Core i5やRyzen 5、Ryzen 7あたりがコスパ重視で選ばれやすいです。
ただし、用途によって最適なCPUは変わります。
オーバースペック
用途に対して性能が高すぎる状態です。
たとえば、Web閲覧や文書作成だけなのにCore i9を選ぶと、オーバースペックになりやすいです。
予算を無駄にしないためには、用途に合ったCPUを選ぶことが大切です。
ボトルネック
PC全体の性能を制限してしまう弱い部分のことです。
高性能グラボを搭載していても、CPU性能が低いとゲーム性能を十分に引き出せない場合があります。
CPUとGPUのバランスが重要です。
CPU性能重視
CPUの処理能力を優先してPCを選ぶ考え方です。
動画編集、配信、エンコード、開発、3DCGなどではCPU性能が重要になります。
ゲーム向けCPU
ゲーム性能を重視したCPUです。
シングルコア性能が高く、十分なコア数を持つCPUが向いています。
AMDのX3Dモデルなどはゲーム向けCPUとして人気があります。
クリエイター向けCPU
動画編集、画像編集、3DCG、配信などに向いたCPUです。
マルチコア性能が高いCPUが選ばれやすいです。
Core i7、Core i9、Ryzen 7、Ryzen 9などが候補になります。
CPU選びの簡単な目安
| 用途 | CPUの目安 |
|---|---|
| Web閲覧・文書作成 | Core i3 / Ryzen 3 以上 |
| 普段使い・事務作業 | Core i5 / Ryzen 5 |
| 軽めのゲーム | Core i5 / Ryzen 5 |
| 本格的なゲーム | Core i5〜Core i7 / Ryzen 5〜Ryzen 7 |
| 動画編集 | Core i7 / Ryzen 7 以上 |
| 配信・重い編集 | Core i7〜Core i9 / Ryzen 7〜Ryzen 9 |
| AI画像生成 | CPUよりもGPU重視。ただしCPUもCore i5 / Ryzen 5以上が安心 |
まとめ
CPUは、BTOパソコンの性能を決める重要なパーツです。
特に確認したいポイントは、以下の5つです。
| 確認ポイント | 内容 |
|---|---|
| メーカー | Intel、AMD、Qualcommなど |
| シリーズ | Core i5、Core i7、Ryzen 5、Ryzen 7など |
| コア数・スレッド数 | 同時処理性能に関係 |
| 世代・型番 | 新旧や性能差を判断するために重要 |
| 消費電力・冷却 | 発熱や静音性に関係 |
BTOパソコンを選ぶときは、
「Core i7だから高性能」「Ryzen 7だから安心」といった名前だけで判断せず、世代・型番・用途との相性まで見ることが大切です。